ポスター:バイオ医薬品におけるスクランブルされたジスルフィド結合の自動かつ堅牢な同定
第4回 日本抗体学会 学術大会
December 1, 2025
バイオ医薬品において、正しいジスルフィド結合は構造的安定性と機能的完全性を維持するうえで不可欠である。一方、結合パターンの変化により、いわゆる「スクランブルジスルフィド結合」が生じることがあり、これは製品の安全性と有効性に影響を及ぼす可能性があるため、その割合を正確に把握・管理することが重要である。
本研究では、バイオ医薬品におけるスクランブルジスルフィド結合を迅速かつ効率的に特性評価するための自動データ処理ワークフローを開発した。
還元および非還元条件で取得したLC-MS/MSペプチドマッピングデータを、Genedata Expressionist®の新規アルゴリズムを用いて解析した。解析では、タンパク質配列に加え、ジスルフィド、トリスルフィド、およびチオエーテルを含むクロスリンクを設定し、クロスリンクペプチドを同定した。観測されたフラグメンテーションスペクトルは、理論スペクトルと照合し、複合体に関する翻訳語修飾の位置を特定した。また、バイオ医薬品で一般的に観察される複雑なクロスリンクは、候補生成および選択基準を改良することで同定精度を向上させた。
さらに、組み込み済みのオートレビュー機能により、予期しないスクランブルジスルフィド結合を含むペプチドは自動的に強調表示され、アサインが不明確な結果にはレビュー用のフラグが付与された。MS/MSカバレッジの閾値など、定義した基準を満たさない結果は自動的に除外される。このワークフローにより、手作業による評価負荷を大幅に軽減し、分析の信頼性を向上させ、最終報告の精度を向上させることができた。
