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味の素、Genedata Bioprocessの利用拡大:日本と韓国の研究開発拠点間のデータを統合

日本の代表的な培地CDMOがGenedata Bioprocessの利用を拡大、研究開発拠点内ならびに拠点間におけるワークフローの自動化と業務効率の向上へ

June 5, 2023
Basel, Switzerland and Tokyo, Japan

スイス・バーゼル、日本・東京、2023年6月5日-Genedataはこの日、細胞培養培地ならびに開発・製造サービス(CDMO)の大手グローバルサプライヤーである味の素株式会社(以下、味の素㈱)が、自社の研究開発におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略に沿って、韓国拠点であるAjinomoto Genexine社へGenedata Bioprocess®の導入を完了したことを発表しました。

※2022年5月23日付「味の素、Genedata Bioprocessを導入」についてはこちら

味の素㈱ アミノ酸事業部 バイオファーマソリューションズグループ長の三瀬 博之氏は次のようにコメントしています。「Genedata Bioprocessは、培地開発の効率化と加速のため、まず日本のチームによって利用開始されました。このプラットフォームは、味の素㈱の既存の実験装置と連携し、これまで想像もできなかったレベルの複雑かつ膨大な量の細胞培養培地開発データを評価できるようになりました。日本でGenedata Bioprocessが導入された後、拠点間の共同プロジェクトを促進するために韓国のチームへも展開したことで、共同プロジェクトにおける業務の大幅な効率化を実現しています。同時に、中国の開発拠点へのさらなる利用拡大の準備も進めています。Genedataによって細胞培養培地の開発を加速し、味の素㈱のパートナーであるバイオファーマ企業がより早く低コストで新たな革新的治療法やワクチンを開発することができます。」

味の素㈱は、細胞培養培地のGxP環境下を含む開発・生産業務を効率化するため、一元的なデータプラットフォームとしてGenedata Bioprocessを利用しています。合成培地は、通常数十の成分を含んでおり、バイオ医薬品の発現収量と品質を改善するためには、それらを正確に評価しなければなりません。培地の最適化は、免疫療法、ワクチン、幹細胞、その他の治療薬など、現代のバイオ医薬品を効率的に製造するために不可欠です。このような細胞培養培地の開発・製造は非常に複雑であり、製品品質を保証するための厳しい要件があります。Ajinomoto Genexine社の主力製品である「CELLiST™」は、動物由来の成分を一切含まない高性能なChemically-defined培地として知られています。

Genedata Bioprocessは、細胞培養培地の複雑な組成を、細胞増殖、製品分析、品質データなどのプロセスパラメーターを含めた、培養の全工程で追跡・分析可能にする専門性の高いデジタルプラットフォームです。味の素㈱の日本と韓国の拠点における研究開発グループの全ての情報は、データインテグリティならびにコンプライアンスを保証する一元的なプラットフォームで追跡・関連付けることができるようになりました。Genedata Bioprocessは、自動化技術、AIおよびML(機械学習)、そしてGenedataが提供する高度なデータインフラを活用し、カスタム培地の開発プロジェクトやCDMOサービスのビジネス価値を最大化するという味の素㈱のデジタル化戦略において、不可欠な要素となっています。

Genedata CEO Othmar Pfannesは次のようにコメントしています。「味の素㈱がアジアにおける開発・製造の各拠点でGenedata Bioprocessの利用を拡大していることは、まさにGenedataが目指しているプラットフォームの活用の姿で、大変喜ばしいことです。Genedata Biopharma Platformは拡張可能なアーキテクチャで構築されているため、ビッグデータの管理・解析を複数の拠点や設備へ容易に展開することができます。Genedataのミッションは、バイオ医薬品の研究開発を加速させることであり、今回の味の素㈱のケースは、今後のBiopharma 4.0へ向けた素晴らしい例といえます。」

味の素㈱について

味の素グループは、“アミノ酸のはたらき”で食習慣や高齢化に伴う課題を解決し、人々のウェルネスを共創する、食と健康の課題解決企業を目指しています。私たちは、”Eat Well, Live Well.”をコーポレートメッセージに、アミノ酸が持つ可能性を科学的に追求し、事業を通じて地域や社会とともに新しい価値を創出することで、更なる成長を実現してまいります。味の素グループの2020年度の売上高は1兆714億円。世界35の国・地域に拠点を置き、商品を販売している国・地域は130以上にのぼります(2021年現在)。


日本でGenedata Bioprocessが導入された後、拠点間の共同プロジェクトを促進するために韓国のチームへも展開したことで、共同プロジェクトにおける業務の大幅な効率化を実現しています。

三瀬 博之
アミノ酸事業部 バイオファーマソリューションズグループ長